止まらない物価上昇の中、インフレ下の資産防衛はどうする?

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日本経済30年の低迷期と10年の「異次元の金融緩和」

 日本では今から約40年ほど前の1990年頃にバブル経済の崩壊した後、長きに渡って物価の上がらない「デフレ経済」という時間を過ごしてきました。直近の10年ほどはアベノミクスによる「異次元の金融緩和」の効果もあって、持ち直しつつありますが、日本経済は30年近く低迷したことを考えると、わたしたちの生活への影響も小さくはありませんでした。

バブル崩壊後、日経平均株価は一時1/5に減少した。

日経平均株価は1989年(平成元年)の最終取引日(大納会)となる12月29日に、最高値の38,915円87銭を記録した後、年明けの1990年1月からは株価の下げが続き、1990年(平成2年)10月1日には一時20,000円を割れて、株価のピークからわずか9か月ほどで半値近い株価水準にまで暴落しました。その後も株価低迷の流れは止まらず低迷を続けた後、2008年(平成20年)の10月28日に日経平均株価は一時、6994円90銭まで下がり、バブル後の最安値まで下げました。バブルのピークの株価と比べると約1/5まで低迷したことになります。

デフレ下の65円ハンバーガーの登場

 この記事を書いている2023年の7月末現在、マクドナルドのハンバーガーは170円(税込み)~(価格は地域によって異なります)となっています。バブル経済が崩壊する直前の1993年には現在より40円ほど高い210円(税込み)で販売していました。バブル経済が崩壊して、デフレが進んだ2000年(平成12年)頃には、マクドナルドのハンバーガーが130円(税込み)となり、最安価格では平日のみ半額のキャンペーン価格であるものの65円(税込み)まで値下がりしていました。

 この間、マクドナルドのハンバーガーの価格は1/3以下まで値下がりしていたことになります。

デフレは終了して、長期のインフレがやってくる!?

 ここ数年の日本では、為替が円安になったことに加え、海外での紛争や対立などの影響で、海外からの原材料輸入価格が高くなっています。国内では少子化、高齢化の進展で働き手が減少することで、人手を確保するためのコストが上がり、それらは商品の価格(物価)にもジワジワと影響を与え、物価が上がっているところです。

こうした物価上昇は上下の波はあっても数十年単位で続くのではないかと考えています。

  • 1. 今後数十年は日本国内での働き手が低下傾向。
  • 2. 地球上の総人口は増加傾向が続いて、エネルギーや資源へのニーズが増加する。
  • 3. 日本銀行だけでなく、先進各国の中央銀行の多くは2%程度のインフレになるように目指している。

インフレ経済へのわたしたちの対応

 今後も長期間、物価の上昇が続くと想定した場合に、私たちはどの様な対策をとれば良いのでしょうか?

 仮に日本銀行が目指す2%の物価上昇が実現した場合を想定して考えてみましょう。ある年に10,000円で購入できたものが、翌年には2%の物価上昇で、10,200円、10年後には複利計算で12,190円ほどになる想定をします。

  • (A)タンス預金
  • (B)銀行預金
  • (C)株や投資信託

 これらの中で、インフレ対策として最も弱いのは(A)のタンス預金です。
毎年2%ずつ物価が上がる中、タンスの中の1万円札は変わらないままですから、タンスの中の1万円札で購入できる「モノ」や「サービス」は徐々に目減りしていき、価値が低下し続けてしまいます。

 次に(B)の銀行預金を考えてみましょう。低金利が続く現在の日本では、預入期間が10年を超える定期預金を使った場合でも1%(税引前)程度であり、物価上昇のペースには負けてしまうことになります。

 こうしたことから、(A)のタンス預金、(B)の銀行預金のいずれの方法でもインフレが進む中では、資産価値を守ることが難しく、毎年少しずつ価値が下がっていってしまうことになります。

 「見えない税金」、「インフレ税」などと呼ばれることもあるこうした仕組みで、お金をタンスや銀行預金に預けておくと、気が付かないうちに徐々に資産価値が下がってしまうことになります。

それでは、(C)の株や投資信託などの金融商品ではどうでしょうか?
日本株を代表する「TOPIX(東証株価指数)※配当込み」の数字で見てみます。
2023年6月末までの過去10年間の年率平均 9.7%
2023年6月末までの過去30年間の年率平均 2.9%

「アベノミクス」の一環として2013年6月に始まった金利の引き下げや、日本銀行による国債や株式(ETF)購入で、過去10年間の株価上昇はご存知のとおりですが、この間のTOPIXは年率で10%程度の成長となっていました。

しかし、それ以前の株価低迷期を含む直近30年間で見てみると年率2.9%の上昇にとどまりました。

株式投資には価格が上下に変動するリスクがありますが、仮に30年間、「TOPIX(東証株価指数)」を持ち続けていれば、配当込みで物価上昇には負けなかったという結果です。

株式投資は価格変動のリスクを考えて「分散」を行うこと忘れずに!

 もちろん株価の上昇ピークで株や投資信託を購入し、暴落の底値で現金化するなどの最も悪いタイミングで取引をしてしまうケースでは、この限りではありませんので、株式や投資信託などを購入する場合には、何度かに時期を分散して購入と売却を進めると良いでしょう。(時間分散)

 投資リスクを減らす「分散」には、「時間分散」の他にも、投資対象の分散や、地域分散、通貨分散などいくつかの方法が考えられますが、これらはまた別の記事で考えてみたいと思います。

まとめ

  • 長く続いた「デフレ経済」は終わり、今後は「インフレ経済」になる可能性が高い
  • 「インフレ経済」で資産価値を守るには、株や投資信託などを利用した資産運用が選択肢に。
  • 「タンス預金」や「銀行預金」は、インフレのペースに追いつけず 「見えない税金」、「インフレ税」と呼ばれる資産の目減りに直面する可能性が高い。
  • 投資にはリスクが伴う。「分散」を利用してリスクを減らす工夫を!

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