今回は「お金の知識」(マネーリテラシー)について考えます。
動き出す金融教育
金融庁では中学生・高校生を対象に、金融経済の学習に関するガイドを作ったり、教材の提供や講師の派遣などを通じて、国民のマネーリテラシーの向上を目指しています。
取り組みが遅れた金融教育
皆さんは小学校から中学校までの義務教育の期間、学校でお金に関することを教えてもらいましたか?
昭和生まれで、まもなく50歳になる私の場合、学校でお金や金融、投資に関する教育をしっかりと受けた記憶がありません。
こうしたお金にまつわる様な話については、それぞれの家庭の方針に基づいて、学校ではなく各家庭の中でするものだったのかもしれません。
高校では学校の規則でアルバイトが禁止されていました。大学生になってアルバイトをする様になると、自分で働いて給与を受け取る様になりました。
そこで「源泉」という言葉や「住民税」「所得税」「扶養」という仕組みに触れ、社会人に少し近づいた感覚になったのを覚えています。
「住民税」「所得税」という言葉については学校の教科書にも、ほんのさわり程度に出ていたように記憶していますが、その詳しい仕組について学校で教わる機会がなかったように思います。
しかしながら、税金や保険、年金と社会人として生活をするようになると、避けて通ることができないものでもあります。
マネーリテラシーはあなたを守る武器
こうした最低限の「お金の知識」については、社会に出るまでに身につけておかないと、学校を卒業して社会に出てから、家計管理や生活設計の必要性、預貯金・保険・クレジットカード・ローン・投資などでつまづいたり、悪意のある人に騙される被害にあってしまう可能性もあります。
そういうことに巻き込まれないためにも、「お金の知識」については、社会人になる前に最低限のものを身に着けておいていただきたいと思います。
「お金の知識」(マネーリテラシー)を身につけるために
そこで自分自身で「お金の知識」を勉強する時に、どんな方法が良いのか考えてみましょう。
私自身がオススメしたいのは、ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定の学習内容です。
実際にFP技能検定の試験を受けて、FPの資格取得を目指すかどうかはさておき、試験範囲にに含まれる学習内容は、広く汎用的に役立つ知識です。
生活に密着した「税金」「年金」「保険」「投資」「相続」「不動産」など、様々なお金の知識を体系的に整理して学ぶことができることから、就職、独立、結婚、子育て、マイホーム購入、介護、老後生活など人生のすべての分野に渡って役立つ知識が含まれています。
FPの教材を通じて、「お金の知識」を体系的に学んだ後、FP技能検定を受けて実際にFP技能士の資格を取得することも良いかと思いますが、他の資格と比べると、一部の業界を除いて就職や企業内での昇進にはあまり影響が無いということもあるので、すべての人が絶対に資格試験に合格して資格取得したほうが良いというほどのものでもありません。
先にも書きましたが、多くの人は体系的に「お金の知識」を身につける機会が乏しい中、自ら進んで「お金の知識」を学ぶ努力をした人は、周りの人との差が付けやすいということも言えるかもしれません。将来の自分自身や、周囲の人々の役立てられる汎用的な知識として、ぜひ身につけていただきたいと思います。
まとめ
ここまで、人生の将来の選択肢を広げることになる正しい「お金の知識」(投資でボロ儲けを狙いましょうという様な話では有りません。)を学ぶ上で、FP技能検定の学習内容をオススメしてきましたが、どこから始めるのが良いでしょうか?
FP技能検定は1級、2級、3級とに別れますが、学生のうちにできればFP3級までの内容を、社会人になってからは、できればFP2級までの内容を学べると良いかと思います。
1級については、それぞれの分野で専門的な内容も含まれますので、お仕事の状況やご自身の興味などに必要に応じて学ぶということで良いかと思います。